大阪ピア・ヘルパー連絡会
●ピア・ヘルパー誕生10周年記念交流会
平成23年度は、大阪における精神障がい者ピア・ヘルパー誕生10周年の節目にあたります。このたび、10周年を記念する全国規模の交流会を企画し、大阪ピア・ヘルパー連絡会にて「平成23年度社会福祉事業研究開発基金」の助成を受け、表記交流会を開催しましたので報告します。
事業名:ピア・ヘルパー誕生10周年記念交流会~あれから10年 未来につながるこれからの10年~
と き:2012年3月17日(土)・18日(日)
ところ:大阪保健福祉専門学校
1.参加人数 総数130人 参加者内訳:関西圏多数、さらに北海道、岡山、東京などからの参加者がありました。
2.実施内容:
1)10年経ちました~1期生のストーリー ~1期生ほか、連絡会メンバーからの第一声~
2)ピア・ヘルパーの成り立ち、考え方について意見交換会 京都、奈良の事業所活動報告、調査報告
3)パネルディスカッション ~利用者の立場、ヘルパーの立場、支援者の立場から語り合う~
4)分科会
①「私のストーリー」 ~ピア・ヘルパーになりたい方へ。私はこうして今に至ります~
②「働く」にこだわる ~働き方を考えたい方へ~
③「ピア」であることとは? ~ピアとして。ピアを生かして何かやりたい方へ~
④「一緒に働く」 ~支援者の方へ~
⑤「フリートーク」 ~まずはおしゃべりからはじめましょう~
5)分科会のまとめ +「精神障がい者ピア・ヘルパー」とは!
3.内容報告:
1)10年経ちました~1期生のストーリー~1期生ほか、連絡会メンバーからの第一声~
大阪ピア・ヘルパー連絡会3名からそれぞれの10年を振り返り、今後の目標や皆さまへのメッセージをこの交流会の第一声として、10年間で大切にしてきたこと。活動の中でピアだからできること=「話を聞くこと」についてそれぞれの言葉で語られ、10年間の自分自身の成長や、変化、こころの動きがあったことが報告されました。
2)ピア・ヘルパーの成り立ちと、考え方についての意見交換会
京都と奈良の事業所の実践報告をいただきました。今、ピア・ヘルパーを支える仕組みがとても大切であり、ピア・ヘルパーを支援するHH事業所の活動から、さらにピア・サポーター事業についてもご紹介いただき、退院促進に当事者が関わる活動として入院している方に対して、専門職が話をするよりも、当事者の方が退院について話をするととっても説得力があるという話がありました。また、10年目の節目にあたり、全国で活動しておられるピア・ヘルパーの現状を明らかにし、活動のあらましをとりまとめたいと考え実施したアンケート報告がありました。精神に特化した事業所として開設されたところは、もともと作業所やっていた、地域生活支援センターをやっていた、そこにニーズがあり、そのニーズに応じでHH事業所が開設されてきたという経緯が報告されました。さらに働いているピア・ヘルパーへの丁寧な相談と、皆の経験が分かち合えるミーティングが大切と教えていただいています。また、働く上では体力、体調管理、時間厳守、についてお金をもらう限りはきっちりと守っていくことが必要とこの調査にて強く確認されました。
3)パネルディスカッション
利用者の立場、ヘルパーの立場、支援者の立場から語り合う場を持ち、利用者さんの話から、二人のヘルパーが嵐のようにやってきて嵐のように去っていく、でもそれによって「自分が本当に何を必要としているのか」を考え、気づくことができるきっかけとなったことが語られました。
3)分科会
①「私のストーリー」~ピア・ヘルパーになりたい方へ。私はこうして今に至ります。~
ピア連メンバーほか、発表者の「体験談」を通して、ピア・ヘルパーになるまでの経緯や、現在の思いを伝え、参加者との意見交換の場を持ちました。
②「働く」にこだわる ~働き方を考えたい方へ~
ヘルパーでも、そうでなくても「働くこと」「いろいろな働き方」について深めたい、考えてみたいという意見交換の場を持ちました。
③「ピア」であることとは? ~ピアとして。ピアを生かして何かやりたい方へ~
ピア・ヘルパー、ピアサポーター、ピアカウンセラーなど、ピア活動には色々な形があります。ピアであることを生かした仕事、活動について考える意見交換の場を持ちました。
④「一緒に働く」~支援者の方へ~
ピア・ヘルパーと共に働く事業所スタッフ、ピア・ヘルパーとして事業所で働いて思うこと、「一緒に働く」ことについて工夫や、良いヒントを得る場を持ちました。
⑤「フリートーク」~まずはおしゃべりからはじめましょう~
「テーマ」を決めて話をするのはちょっと休憩。まずはおしゃべりから自由な意見交換の時間を過ごしたいという方のための場を持ちました。
5)分科会の報告とまとめ「ピア・ヘルパーとは何か!」
2日間のまとめを皆さんと分かち合いました。「時代は着実に皆さんの力を必要としている。ピア・ヘルパーというのはまだ制度がない。ピア・ヘルパーとしてハローワークに行っても理解されないことがあります。これから皆さんが自分自身の病の体験を言葉にしてほしい。そういったことを支援者にも伝え、悩み、学び、一緒に福祉計画や地域づくりに展開していきたい。市町村のまちづくりは皆さんの声が反映されるものであってほしいと思っています。これが今までの10年間、これからの10年間はこれを持って自分の市町村でヘルパーを拠点に町づくりを考えていただきたい。」と締めくくられました。
10周年記念冊子のご案内(PDF)